2020年8月29日(土)
【車】

2020年8月29日大安。
車の納車日であった。

さて、家から車屋までは、車を走らせて5キロほどの距離がある。
車を家まで納めに来てくれるサービスはないとのことで、車を納めてもらうためには、自力で車屋さんまで行かねばならない。

車屋の近くに、駅やバス停はない。

帰りは納められた車を運転して帰らなければいけないので、1人で車を運転して向かうこともできないし、そもそも、レンタカーは先日返却してしまったので、手元にない。
このためだけに、親と親カーを呼ぶのは申し訳なく思うし、近くに頼れる人もいない。
職場には、何かしらのお願いをしたら快く引き受けてくれる方は多数いるが、ただより高いものはないのである。

ここまで条件が揃うと、そろそろ「しょうがない、タクシーかな。」という気持ちが芽生えてくる。

しかし、それで良いのか。

初めてのマイカーを迎えに行くのに、君は、他人の運転する見知らぬ車で行くと言うのか。

それはつまり、交際相手の家に結婚の挨拶に行くのにビビり、レンタル恋人に隣で支えてもらうようなものじゃないのか。

覚悟¢ォりてないんじゃないですか。

つーか、僕は今まで車なしで生活してきたわけであって、別に車なんてなくても生きていくことはできるわけなわけ。
余剰なわけ、車は。
ここで、大金払ってタクシーなんて使ってマイカーを納めてもらいに行ったなんて知られたら、「車がねぇとこいつなんもできねぇんだな。」と車屋とマイカーに思われかねない。
それは断固回避しなければならない。
そうなると、最初が肝心である。

いやしかし、でも、こんな記録的な猛暑(毎年言われている)の中で、車以外の手段って……徒歩?いやいやそんな無理ですわ。ま、タクシーですわな。最悪、親に頼めばいいわ。徒歩なんて無理無理。

そんなことを考えながら豚汁を作っていたところ、隣の部屋から何かの気配がしたので見に行くと、もう1年くらい履いていないマイズック(一緒にフルマラソンを走った靴。店員が言うには「これもう、裏にスーパーボールが大量に入っているようなものですから!」とのこと)がなんだか寂しげに段ボール箱の中に収まっていた。
それを見て、私は徒歩で車屋に行くことを決断したのである。

ラスト・ウォークマンである


休日であるが、8時半に起きた。
納車日の朝は早い。
炎天下の中、約5キロも歩いて行くからには、いつもは食べない朝食も本日は欠かせない。
麦茶を飲み、梨を食べた。

9時15分、マイズックと共に出発である。
水分は、多分途中でコンビニとかあっから、特に用意していない。タオルは一応鞄に入れた。

まず最初に感じたのは、余裕≠ナある。
めっちゃ余裕。これ、5キロとか余裕なんじゃないだろうか。暑いっちゃ暑いけど、まあ、午前中の暑さだし。まあ、このペースなら、10時には着くかな。お、不思議な森があるわ、撮ろ。ただの散歩だわこれ。習慣にしようかな。余裕だわ。
という感じであった。

しかし、15分ほど歩いたところから、身体に異変が生じたのである。
体温が上昇し、汗が出てきたのである。
それ以降は、もう、ほんと、ずっと暑かった。余裕だったの最初の15分くらいで、後はもうずっと暑いし、ずっと汗だらだら、服ぐっしより。

この苦しみは、車を納められたことのない人にはちょっと分かりにくいと思うので、詳しく説明すると、夏は、午前中と言えど、暑いし、直射日光があって暑いので、歩いていると、それでまた体温が上昇するので、暑いのである。

ちなみに、これはクーラーの効いた部屋で状況を思い出しながら書いているので、熱中症のせいで上記書きぶりになっているわけではない。

記録を見ると、歩き始めて14分後には、道端のポールに落とし物っぽいタオルがかけられているのを写真に撮っているので、相当な余裕があったものと思われる。
それ以降は、見知らぬ寺の写真などしか撮っていない。
私としても、暑い暑いと思いながら歩きつつ、見知らぬ寺を見掛けたら義務感で写真を撮っていた記憶がある。

なお、9時40分にはコンビニでポカリを手に入れた写真が残されている。

9時53分には、「スナック十字路」という看板を撮っている。十字がモチーフなので、取り敢えず寺に準ずるものとして撮影したのだと思われる。
10時ちょうどに、路上に出されたゴミを覆い隠すネットが、プーさん柄の袋に詰められて電信柱にくくりつけられているのを撮影している。寺に準ずるものとして撮影したのだと思われる。
10時16分には、知らない宗教の道場で、なんか教会と歯医者を足して2で割ったような大きめの建造物を撮影している。寺に準ずるものとして撮影したのだと思われる。

そして、10時18分、歩き始めてから約1時間で車屋に到着している。
長かった。
大変、大変長かった。
車で5キロほどと説明したが、徒歩だったので、その倍くらいの距離は歩いたと思う。
今はクーラーの効いた部屋で寝転がりながらこれを書いているので、感想に熱中症の症状が表れているわけではない。

さて、その後は、花束をもらったり、今まで見たこともない店長が本当に一瞬だけ挨拶に来たことをむしろ不快に感じたり、車と写真撮影をしたり、車に抱きついた写真を撮ってもらいたかった結果手を軽く火傷したり、自分のスマホと車のBluetoothがつながらず、車屋→病院→車屋→DOCOMO→イエローハット→DOCOMO→スシロー→車屋という順で、初日からマイカーを酷使することになるのだが、それはまた別なお話である。
学生時代のサークルの同期とズーム飲み会をし、マイスマホが絶対に音声を届けないぞという強固な意思を見せたため、チャットで参加したのも別なお話である。


くたくたになって帰宅し、家の前の駐車場に初マイカーを初駐車した。アラウンドビューモニターが逆に分かりにくいな!と初めて思いつつ、停めたマイカーの写真を撮影し、それなりの満足感と共に家に入ろうとした。
すると、何やら近くから気配がしたので目をやると、駐輪場に置いてあるマイ自転車が寂しげにしていた。
気まずくなり、写真に撮らず、そそくさと家に入った。
自転車旅も、いつか計画しようと思う。


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